「ブロウ」(2010)

「ブロウ」(2010)

BSでやっていたので、偶然観ました。
実話がベースと番組表に書いてあったのに興味をひかれて。

自分の子供時代の二の舞はすまいと、金、気の合う女、愛する子を持ったはずが、結局、親と同じことを繰り返してしまう。さらには自分は父親を愛し続けられたけれど、娘には捨てられるという結末。この連鎖感は山岸凉子さんの漫画っぽいなと思いました。
息子を愛し続け信じ続ける父、否定し限界を越えたあとは拒絶する母、それぞれ、理解できました。
父親があそこまで愛し続け許し続けてしまったがゆえに、ジョージは更正しきれなかったのかもしれない。母親のような厳然とした態度が必要だったのかも……と考えつつも、老いた父だけが息子からのカセットテープを病身にむちうって聞いてくれるシーンは泣いてしまいました。
そのあとの、愛娘クリスティーナの面会が幻覚だったとわかるシーン、最近の映画だったら本当に尋ねてきちゃうんだろうなあ、でもここは幻覚なのがすごくよかった。悲しいけれど。許さないことで忘れてくれていない証かな、とも。

終盤は、猫を抱きしめながら観てました。

それにしても、今まで意識したことなかったんですが、ジョニー・デップってかっこよかったんですね。世間知らずのまま、麻薬密売の頂点に上り詰めてしまったジョージの危うさと悲しさ、良かったです。